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新米おもちゃデザイナーの先生は、一歳の子どもたち?『はじめてのつみき おとつむ』開発ウラ話

 

 みなさんこんにちは!ウッディプッディのおもちゃデザイナー(育休中)の山本です!

 前回は初めてのスタッフブログで、ただの自己紹介ながら緊張して書きましたが、たくさんの方にお読みいただけて、とても嬉しいです!

 2回目となる本日は、ウッディプッディの大人気商品『おとつむ』が誕生した舞台裏を、ちょっとだけお見せしたいと思います。

初めてのおもちゃ作りは「音の見えるつみき」

https://www.youtube.com/watch?v=OwLZWj3ymCE

 このプロジェクトを担当したのは入社して間もない頃でしたので、先輩方のサポートなしでは到底成し得ませんでした。とにかく必死になって作っていたことを覚えています。

 おとつむを企画してた2016〜2017年当時は、小さなお子様向けに、振ると音のなるつみきが流行っていました。つみきの中が空洞になっていて、振ると「カラカラ」と可愛い音がするものが主流ですね。

 つみきが遊べるようになる1歳前後の子どもは急速に五感が発達する時期で、個人差はあるものの、特に音への関心が強くなる時期です。自分で掴んだり振ったりと、五感をフル活用する遊びは、子どもたちの成長に欠かせません。

 「音がするつみきはたくさんあるけど、みんなにもっと楽しんでもらうにはどうしたらいいだろう…?」

 「つみきは大きくなるまでずっと遊べるおもちゃだから、丈夫で長く遊べる方が親御さんも安心できるだろうな…」

 おもちゃデザイナーとして駆け出しの私にとって、おもちゃ作りは楽しい反面、乗り越えなければならない課題がたくさんでした。

 そんな中、ついに辿り着いた一つのコンセプトが「音の見えるつみき」でした。振るとつみきの一部が動いて、木のおもちゃならではの優しい音とともに、見た目の変化も楽しめます。触覚と聴覚に加えて、視覚で楽しむ要素が増えることで、もっと夢中になって遊んでもらえるのでは…?

 さっそくサンプルを作り、実際に小さなこどもたちに使ってもらうことに。結果は…、思った通り!音だけのラトル(振ると音がするおもちゃ)に対して、音の発生源が目で見てわかるラトルの方が、より夢中になって遊んでいました。

こどもたちが教えてくれた、おもちゃの「色」の大切さ

 

 この時、私たちが気づかなかったことをもう一つ、子どもたちが教えてくれました。それは、子どもたちは音より先に「色」に関心を示すことです。

 「おとつむ」はカラフルで可愛らしいつみきですが、当初はむしろ塗装を施さず、ナチュラルな木の見た目を活かしたおもちゃにするつもりでした。ナチュラルなつみきは、イメージに囚われず自由な型を作れる上、好みに左右されにくいので、当然これがいいだろうと思っていました。

 しかし、実際にそのおもちゃで遊ぶ子どもたちは、塗装のないつみきよりも、塗装のあるつみきの色に反応し、そこから掴んだり、振ったりと、本来の遊びに入っていきました。いくらつみきに工夫を重ねても、子どもたちに興味を持ってもらわないことには、なんの意味もありません。

 モニターの子どもたちから多くのことを学びながら改良を重ね、2017年9月、「はじめてのつみき おとつむ」として、私の作ったおもちゃが初めて世に出ました。 

 

お母さんになって感じること

 発売から3年以上過ぎ、今では多くのお客様にお楽しみいただいています。中には、遊んだ感想や気になった点などをレビューに丁寧に書いてくだるお客様も多く、とってもありがたいです…。

 そして何より、娘さん・息子さんが「気に入って毎日遊んでいますよ!」なんて素敵な言葉をいただくと、もう…感無量です。

 今だからおはなしできますが、実は発売直後はあまり売れ行きが好ましくない時期もあり、「ダメだったかな…」と焦る時期もありました。しかし、徐々にたくさんの方にご購入いただき、ご感想やレビュー、SNSでの投稿も増えていき、今では「開発して本当に良かった!」と感じています。

 そして母になった今、おもちゃの安全性や、発育に応じた工夫のありがたみを実感できるようになりました。大きなつみきなら早いうちから遊べるので、安全で長く遊べるものほど、愛着が湧いてきます。世の中には魅力的なおもちゃがたくさんありますが、たくさん買うと家の中が狭くなってしまうし、決して安いものではないし、子供にも一つ一つを大切にしてほしいので、「おとつむ」のように、一つのおもちゃでも色々な楽しさが含まれているとありがたいです。

 7か月になる息子くんと遊んでいると、やっぱり木玉が中に入っていて見えないラトルよりも、外にカタカタなるパーツがついていたり、くるくる回る仕掛けのあるラトルの方が食いつきがとてもよく長い時間遊んでいます。

 「やっぱり見える方が楽しいんだ〜」と眺めている時、ふと「私が作ったおとつむ…渡したらどんな反応するかな…?」という思いが浮かびました。

 というわけで、次回は「お母さんが作ったおもちゃを、実の息子くんに渡したら楽しんでもらえるのか!?」といった感じのテーマで書いてみたいと思います。

最後までお読みいただき、ありがとうございました!

 

「はじめてのつみき おとつむ」

1歳頃から楽しめる「ふる」「ならべる」「つむ」遊びはもちろん、少し成長してからは「はめる」「形作り」「ごっこ遊び」もOK。小さな頃から、大きくなるまで、長く安心してお楽しみいただけるつみきです。

ご購入はこちら

ライター:やまもと(スタッフ)

ウッディプッディーのおもちゃデザイナー。現在は育児休暇中。

子どもの言い間違えを訂正する前に聞いてほしい「たった1つ」のこと

 2018年にある教育研究機関が小学生を持つ親に対して《自分の子供はどんな風に育ってほしい?》と調査したところ、50%以上の親が「思いやりのある子」と回答しました。次いで、「周りから好かれる子」「友達の多い子」など、全体的に良好な交友関係を築ける人間性が過半数を占めています。

 このように、昨今は他者とのコミュニケーションが重視される傾向があります。「他者」と言っても、コミュニケーションが始まるのは幼稚園や保育園ではありません。お父さん、お母さん、祖父母、兄弟姉妹など、生まれてから外に出るまで接する家族との時間が、その子どものコミュニケーション能力の基礎を築くと言っても過言ではありません。

 そんな親子のコミュニケーションに言及する様々な本や意見は世間に多々ありますが、今回私がみなさんにお伝えしたいのは、このたった1つだけのことです。

 それは「赤ちゃん言葉や言い間違えをすぐ訂正・否定しないであげてほしい」ということです。

 例えば、お子さんが人参のことを『ニンニン』、とうもろこしを『とうもころし』と言い間違えたときに、

「ニンニンじゃないよ、ニンジンだよ」

「とうもころしじゃなくて、とうもろこしでしょ!」

と、すぐに訂正することが多々あるかと思います。

 「正しく言葉を使えるようになってほしい」「将来この子が言い間違えて恥をかくかもしれない」そんな心配が頭をよぎる気持ちはとてもよく分かります(何を隠そう、上の2つは実際に私が自分の子どもに言ったセリフそのものだからです)。

 しかし、どうかその気持ちをぐっと堪えて、すぐさま否定することをちょっとだけ我慢してください。

 なぜなら、子どもにとって大好きでかけがえのないパパとママとのコミュニケーションは、私たち大人が思う以上に大切な時間なのです。そこで、頑張って覚えた言葉や表現を「それは違う!」「こう言いなさい」と、つど訂正されることによって、楽しい時間は一転、間違えたら怒られる、苦痛の時間となってしまうからです。

 しかし、いつまでも間違えたままというわけにも行きません。そんな時は、訂正や否定の代わりに、正しい表現で返答してあげましょう。先程の例の場合であれば、

「ニンジン、おいしそうだね〜!」

「ママ(パパ)にも、とうもろこしちょうだい!」

 こんな感じで全然OK!親との会話の楽しさが損なわれない上、その時間の中で徐々に正しい表現を身につけることができます。

「お話しするって楽しいな!」

『もっとお話ししたいな!」

 「コミュニケーション能力」なんて堅苦しい表現では難しく聞こえてしまうものの、詰まるところ子ども自身が他者との関わりを「楽しむ」ことが、冒頭で書いた「思いやりの心」を育てるなによりものエッセンスになります。

 そして、そのためには私たち大人にとっても子供との会話を楽しむ気持ちが欠かせません。先程あげた例の通り、私も自身の経験を振り返って「もっとこうすればよかったな」と思うことが多々あります。

 きっとこれを読んでくださる方は、言われるまでもなくお子さんとの日々を楽しく過ごせていらっしゃると思いますが、時々「言い方をすぐに否定していないかな」と意識していただけたら、嬉しいです。

ライター:藤野ゆか

2006年から7年間ベビーマッサージ資格スクールを運営、2013年からは抱っこセミナー、ママ起業セミナー、SNS活用セミナーなど全国で開催。
2017年から『抱っこ育児コミュニケーター講座』を開講し、抱っこ育児を伝える講師を育成中。また2020年より『スマホひとつで動画編集講座』を開講、毎回満席となっている。

「学ぶ」の語源は「真似ぶ」?おままごとは”マネ”が豊富な学びの宝庫!

 

 みなさんは、なにかを「学ぶ」とき、どんな行動をとりますか?

 

 参考書を買って知識を取り入れる、アプリで発音の練習をする、Youtubeでプロの動画を見る、習い事をする…など、現代は多くの学習手段がありますね。

 

 しかし、いつの時代でも変わらない「学習」の本質をご存じでしょうか?答えはとってもシンプル。「真似」です。そして、これは大人だけでなく、生まれたばかりの子どもたちにとって非常に大切な習慣なのです。

 

「マネして学ぶ」は人間の体に備わった機能

 

 【ミラーニューロン】という言葉をご存じでしょうか。これは二十数年前に解明されたヒトに備わる脳機能の一つで、「他人がとった行動が、あたかも自分がとった行動かのように体が反応する」というもので、別名「ものまね細胞」とも呼ばれています。

 

 例えば、赤ちゃんには「言葉を話す」ことや、「感情を理解する」ことはできません。ですが、日々大人たちの行動や表情を見ながら育つうちに、少しずつ言葉が話せるようになったり、相手の感情を理解したりすることができるようになりますよね。

 

 「学ぶ」の語源が「真似ぶ(まねをする)」であるように、「マネ」とは学習に大切なもの、いや、学習そのものと言えます。

 

おままごとは「真似=学び」の宝庫!

 

「もうすぐできますよ~!」「ふ~ふ~しましょ!」

 

 わが子がおままごとのときに言うセリフは、お母さんである私の日常的な発言がそのまま反映されています。おままごとに限ったことではありませんが、日常的に目にする他人の行動を思い起こしながら遊ぶおままごとは、まさに「真似=学び」の宝庫です。

 

 周りの大人たちのように行動することは、子どもにとっては想像以上にワクワク・ドキドキするとてもエキサイティングな時間です。みなさんが子供の頃、お母さんがやお父さんがすることを、自分も真似してみたり、調理道具などを自分で使うときにドキドキしませんでしたか?きっと、お子さんも、そんなドキドキを感じながら、真似をしたり、遊んだりしているはずです。

 お子さんと一緒に遊ぶ際は、自分も子供の頃に戻った感覚で一緒に過ごすと、お子さんがどんなことにドキドキしながら過ごしているかが、よく見えてくるかもしれません。

 

真似は動作だけでなく、感情の豊かさを育てます

 

 「ありがとう!」「美味しい!」など、感情が反映された言動や行動は、子どもたちの情緒を育むうえで大切な要素です。「こういう時は嬉しいんだ!」「こういうことをすると、悲しかったり、イやな気持ちになるんだな」と、たとえ本人が無意識でも、大人の感情の変化を子どもたちはしっかり観察し、そして自分に投影しながら、様々な感情を学んでいきます。

 

 特に、自分がしたことで「誰かに喜んでもらえる」という経験は、老若男女問わずとっても嬉しい瞬間だと思います。おままごとは真似を通して多くの学びを習得できる時間ですので、ぜひお子さんに「誰かのために行動する」喜びを実感させてあげてください。

 

 料理のおままごとの時なら、ご飯やスープをよそってもらったときに「ありがとう!美味しそうだね!」「いただきます!」という、ごく自然な会話でも十分お子さんには喜びが伝わると思います。そんな時、心は幸福感に満たされ、穏やかな心が育まれ、おままごとの中だけでなく、実際の生活でも大らかな気持ちで過ごすことができると思います。

 

想像しながら真似る行為は、やがて創造する力になる

 

 昨今、よく子どもたちには≪創造する力≫が大事といわれることが多いように思えます。

 

 ですが、冒頭でご紹介したミラーニューロンのように、これはもともと子どもたちに十分備わっている能力なので、大人が一から十まで準備をしなくても、自然と育まれるものなのです。

 

 遊びの中で、そして日常生活の中で、「今この子はどんなことを見て、どんなことを思っているんだろう?」「あのお鍋をかき混ぜながら、あの子の目にはどんな料理が映っているんだろう?」「そもそも、料理じゃないのかも?」と、お子さんが頭の中でどんな世界を繰り広げているかを考えながら、観察してみてください。

 

 大人にとっても、想像する時間はワクワク・ドキドキがあふれていて、今まで気づかなかったお子さんの感性が見つかるかもしれませんよ!

 

今安 志保 Shiho Imayasu

ピアニスト/脚本/ラジオパーソナリティ
脳科学的根拠と⼼理学的根拠を得意の⾳楽学で紐解き、38 年1万5千組以上の親⼦に対 して“笑顔の解決”を促してきた実績より、“⾚ちゃんの笑顔ソムリエ”の称号を授与される。⾮認知能⼒を育む『啓育』の実践者として、胎児から始まる乳幼児教育の第⼀⼈者。

【パパ育休】#1 営業課長の育休生活がはじまります

しんどう課長の育児日記(ウッディプッディ)

しんどう課長の育児日記(ウッディプッディ)
  皆さんこんにちは。いつも弊社のコラムをご覧いただき、誠にありがとうございます。  私はウッディプッディで営業課長を務める進藤匡史(しんどうまさし)と申します。この度、会社のウェブ担当から「スタッフブログ書いてもらえませんか?」と突然執筆を任され、右も左も分からない中、初めての原稿を書いています…(笑 ちなみに、↑のイラストが私です。 色々と考えたのですが、私のブログテーマは、ずばり「男性の育児休業」です。  わたくしごとですが、つい先日第一子となる女の子が誕生し、それに伴い「育児休業」を取得させて頂くことになりました。  ちなみに日本における育児休業の取得率は、令和元年10月の調査時点(※)では、女性が83%に対し、男性は7.3%と、男女平等が叫ばれて久しい中でも、まだまだ男女間で大きな隔たりがあるのが現実です。 ※参照:厚生労働省「令和元年度雇用均等基本調査」https://www.mhlw.go.jp/toukei/list/dl/71-r01/06.pdf  そんな中、半年~1年という長期休業を申請しました、これを機に、一人の社会人、そして一人の父親としてのリアルな「育休」を記録していきたいと思います。  ですが、まだ育休が始まったばかりでお話しすることがまとまっていないので、今回はカンタンに私の自己紹介をさせてください。  改めまして、進藤匡史と申します。千葉県船橋市出身の38歳で、ウッディプッディへの転職をきっかけに神戸に引っ越してきて、今年で13年目になります。  保育園の頃に「おもちゃ屋さんになる!」と決意し、大学では工業デザイン学科のプロダクトデザインを専攻、卒業後は東京のおもちゃメーカーに営業兼オンラインショップの店長として3年ほど勤めたのち、現在のウッディプッディに転職、現在に至ります。  また、おもちゃ愛が高じて「おもちゃコンサルタント」という資格も取得しました。ざっくり説明すると、この資格は『認定NPO法人芸術と遊び創造協会』が認定していて、『東京おもちゃ美術館』に通いで受講した資格です。ここでは、子どもの発育段階に応じて、どのようなおもちゃや遊びが、その時々の子どもに適しているかを深く学ぶことができます。  そんなこともあり、本職は営業ながら、部署を超えておもちゃの企画開発にも深く携わってきました。そして、前述の通り今年2021年5月の長女出産と同時に、人生初の「育児休暇」を取得し、現在に至ります。  特に今はコロナ禍という、前代未聞の状況における育児休暇です。私の住む神戸は、東京や大阪と同じくらい多くの感染者数が問題となり、現時点(2021年5月7日現在)は非常事態宣言下にあります。しかし、このようなイレギュラーな状況だからこそ、育休が私たちの生活にとってどのような意味をなすのか、私自身とても深い関心を持っています。  とはいえ、父親としての生活が始まったばかり。長年おもちゃコンサルタントとして、おもちゃや子どもの発育について学んできた私ですが、いざ自分の子どもとなると、子どもに関するどれもが新鮮で、毎日が喜びと不安の連続です。そんな新米パパではございますが、実体験を通して育休の大切さや、子どもとのかかわりについて、皆さんと共有できれば幸いです。  そして、このコラムをきっかけに、子育ての楽しさや育休の大切さが一人でも多くの方にお伝え出来たら、こんなに嬉しいことはありません!  長くなりましたが、これから時々更新していきますので、何卒応援のほどよろしくお願いいたします。 しんどう

↑私と生まれて間もない娘。幸いにも出産に立ち会えたものの、それ以降はコロナ対策で病院に入れなかったので、数日ぶりの再会でした。

進藤匡史(しんどうまさし)

ウッディプッディの営業課長。おもちゃコンサルタント。2021年5月の長女誕生を機に、現在育児休暇中。1人の男性、そして1人のパパとして、育休の体験記録をスタッフブログとしてつづります。