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ウッディプッディのおままごと『きらきらコスメセット』の生配信を開催しました。

配信動画はこちら

 

こちらの動画にコメントをいただいた方の中から『きらきらコスメセット』を抽選で1名様にプレゼントします!

 

コメントの締め切りは11/3 23:59までとなっておりますのでご注意ください。

みなさんこんにちは。

ウッディプッディの平子と申します。

 

本日は新発売の『きらきらコスメセット』について、インスタライブで生配信にてご紹介させていただきました。

 

ウッディプッディ単独で生配信を行うのは今回が初めて。スマホの画面を操作する手は、緊張でプルプル震えていました。

 

本番1分前。

 

「何人くらい見ていただけますかね〜」

「平日のお昼だから…

10人来てくれたらすごいですよね」

「コメントくるのかなぁ…」

 

司会の私とデザイナーの中野が、互いの緊張をほぐすため他愛ない会話を2つ3つ交わしたところで、いよいよ本番開始。

 

私たちの想像とは異なり、配信開始と同時に、参加者やコメントが次々と来るではありませんか…!

 

「ウッディプッディのおもちゃ、

いつも使ってます!」

「娘が喜びそう!」

「うちの子が女の子だったら欲しかったなぁ」

 

コメントや参加される方のお名前を見るうち、緊張はいつしか嬉しさへ…。

 

放送内ではみなさんのコメントを淡々と読み上げておりましたが、実は私も中野も、小躍りしかねないほどの嬉しさに舞い上がっておりました。

 

とにかく、みなさんの言葉がありがたくて…。自宅の部屋に貼り出して、一日中眺めて過ごしたいくらいです。

 

気づけば配信開始から50分。

 

想定を大幅に超えた長時間配信の末、無事終了しました。

 

私も中野も、みなさんのおかげでとても楽しくお話しすることができました。

 

最終的に、配信には170名近い方にご参加いただきました。みなさんの貴重なお昼休みの時間をいただいてしまい、ありがたいやら、申し訳ないやら…。

 

生配信をご覧いただいた皆様に、改めて心からお礼申し上げます。

 

そして、今日の生配信はウッディプッディのインスタグラムからご覧いただけます。

【配信動画を見る】

 

また、この生配信についてのアンケートも募集しております。今後の動画作りやプロモーションに役立てて参りますので、ご協力いただけますと、とってもとっても助かります。

【アンケートに答える】

 

ちなみに動画の途中にチラチラと映ったおじさんは、ウッディプッディに古くから住み着くメガネの地縛霊。

 

…ではなく、弊社営業部の木村です。配信開始時、彼が木馬に乗ってさりげなく登場するという演出案がありましたが、当然却下させていただきました。

 

今後の配信でも登場するやもしれませんので、木村の活躍に乞うご期待ください!

 

…なんだか話が逸れてしまいました。

 

さて、10月もあっという間に過ぎ去り、週明けには11月の到来です。

 

日々寒さが厳しくなりますが、一方で温かいものや辛いものがぐっと美味しくなる季節。

 

季節の良し悪しは、考え方次第…

 

いや、食べもの次第ですかね。

 

去りゆく秋を、そして来る冬を、楽しく、美味しく、何より健康第一で、皆様が楽しくお過ごしいただけることを願っております。

 

最後までお読みくださりありがとうございました。

 

子どもの学びは「わくわく」から生まれる – しみずみえ

こんにちは!

あそびの専門家、しみずみえです。

前回は「あそびはこどもを賢くするためのもの?〈記事を読む〉」と題して、あそびってもっと肩の力を抜いて、のびのびと楽しんでもいいよね、といったコラムを書かせていただきました。そして2回目となる今回は、その「あそび」そのものについて考えてみたいと思います!

目的よりも大切な「わくわく」する気持ち

さて、ここで一つ質問があります。みなさんは「あそび」と聞いて、どんなことをイメージしますか?

ブロックで何かを作る、おもちゃを使ってままごとをする、ブランコに乗る、あるいはテレビゲームに夢中になる・・・。世代や性別など、人によって様々なイメージを思い浮かべるかもしれませんね。

しかし、小さな子どもたちにとっては、必ずしも目を引く楽しいおもちゃだけが楽しいあそびとは限りません。

たとえば、0歳の赤ちゃんが、カーテンが風で揺れる様子をじーっと眺めていたり、1歳児が、大人のスマホや、メガネや、コップを、1つずつ持ってきて、何度も繰り返し「どーぞ!」と手渡したり、2歳児が、部屋の端から端まで何度も「よーいどん!」と走り続けたり、道路の模様に合わせてはみ出さないよう慎重に歩いたり、買い物に行ってスーパーのカゴを持ちたがったり・・・。

小さな子どもが楽しむあそびって、大人目線では「何が面白いんだろう?」と思ってしまうようなことばかりですよね。

しかし本人たちにとっては、見慣れないカーテンの動きやそこから漏れるキレイな光、ものを手渡すと「ありがとう!」と受け取ってくれる大人たちの反応、全力で走る気持ちよさ、歩ける場所が限られるドキドキ感、大人のように買い物をする緊張感と嬉しさ・・・。

そのどれもが、わくわくに満ちた時間なのです。みなさんの幼少時代を振り返ってみて、そのような記憶や思い出はありませんでしょうか?

私は、あそびとは「目的がなくてもわくわくすること」だと考えています。子どもが「面白そう!」とわくわくして、主体的に行動すれば、それは立派なあそびです。そして子どもたちはあそびを通して、周囲の様々な人やものに触れ合い、世界が広がっていきます。

「わくわく」は日常生活にあふれている

そんな子どもたちのために、私たち大人ができることはなんだろう・・・。

なんて、ムズカしく考える必要はありません。子どもがわくわくしそうなきっかけを与えてみたり、それを見守るだけでも十分です。

例えば、0歳児におすすめのあそびは、触れて話しかけることです。「たーちゃんの、ほっぺたー!」とか、「ちっちゃい、おててー!」とか、触れているものをそのまま言葉にするだけでOK。

家族の手から始め、ガーゼのハンカチ、ふわふわのタオル、木のおもちゃの丸いところなど、家にあるもので触り心地の良さそうなものを見つけたら、そっと、触らせてあげてください。お父さんお母さんと一緒に一つ一つ触ると、安心感とともに新しい出会いを楽しめます。

1歳や2歳頃になると、行動範囲の拡大に伴い、触れたがるものも多々増えてきます。砂や泥、水、葉っぱや木の枝、花びらの多い花や少ない花、粘土、やわらかい紙や硬い紙、毛糸や布、つるつるしたリボン・・・。

触ったり、並べたり、くしゃくしゃにしたり、混ぜたり、何かに見立てたり・・・。

先ほども書いたように、一見退屈そうなあそびでも、子どもは自分なりに試行錯誤したり、想像をめぐらしながら楽しんでいます。ですので、集中して楽しんでいるときは、近くで優しく見守ってあげましょう。

計算や読み書きよりも大切な「学び」

もう少し大きくなると、もはや生活のあらゆる場面が何でもあそびになります。

一緒に買い物に行けば、知らなかった野菜や食材に出会います。大きい・小さい・多い・少ないという感覚も身につきます。お茶を注ぐうちに手のチカラがコントロールできるようになります。イチゴを家族に配るうちに、今日は1人3個ずつだね、なんてことが理屈抜きで実感できるようになります。

大人の真似っこが好きな子どもが多いのは、大人みたいにもっと色々なことができるようになりたい、と思う気持ちの表れだと思うのです。その気持ちを受け止めて、できることを1つずつ増やしていく。

すると、そのあそびはやがて「学び」となって、子どもたちの中に蓄積します。

あそびが学びにつながると言うと、計算や読み書きなどの教科学習的なものをイメージするかもしれません。ですが、遊びを通して得られる学びとは、単純に数値化や可視化できる知識ではなく、新しいものに興味を持ったり、自分でできるようになりたいという好奇心、いわば「学びの土台」のようなものを指します。

日常生活の中で、子どもたちは「あそび」として様々なわくわくするものと出会い、成長するにしたがって、その経験が「学び」となって現れます。

ですので、お父さん、お母さん、または子どもの周囲にいる大人たちには、「発達のためのあそび」にこだわるのではなく、もっと安心して、肩の力を抜いて、子どもたちの遊びを楽しく見守って頂きたいなぁと思っています。

さて、少し長くなりましたが、ここまでとさせていただきます。

今回は主に小さな子が行う日常のシンプルな動作に基づいたあそびをご紹介しましたが、次回はおもちゃを使ったあそびについてお伝えしたいと思います。

最後までお読みくださり、ありがとうございました。

しみずみえ

こどもの育ちとあそびの専門家。 玩具メーカーでの企画開発、KCJ GROUP 株式会社での『キッザニア東京』の創業、こども向け体験講座の企画運営、保育園の立ち上げ支援などに携わる。 現在は、あそびを通して、おとな・こどもが共に自分らしさを育むことを目指し、こどものための遊びプログラムの提供、およびどもに関わる大人のための講座や研修を行う。

【関連サイト】 こども×おとな×しごとプロジェクト
https://kocp.net/

【書籍】『あそびのじかん―こどもの世界が広がる遊びとおとなの関わり方(英治出版)』https://www.amazon.co.jp/dp/4862762174/ref=cm_sw_em_r_mt_dp_S03Z6ZBCF3M0JT4C8DG3

はじめてのおままごと『きらきらコスメセット』で遊んでみた! – 齊藤由佳子

はじめてのおままごと
『きらきらコスメセット』

12種類の豊富なコスメが揃ったおままごとセット。パステルカラーと木の風合いが織りなすナチュラルな雰囲気は、年齢性別を問わずお楽しみいただけます。


購入ページはこちら

 みなさんこんにちは!  1歳8ヶ月の子どもを育てながら保育士をしている齊藤と申します。お母さん、そして先生である私自身も大のおもちゃ好きで、「おもちゃコンサルタント」という資格を取得するほど!  公私ともに様々な観点から子どもとおもちゃに携わり、親子で一緒に楽しめる遊びはないかと日々楽しく模索しています。  さて、そんな私の元に、ウッディプッディさんから今秋発売予定のおままごと『きらきらコスメセット』が届きました!みなさんより一足先に遊ばせていただき大変恐縮ですが、その分、子どもたちの反応や私自身の感じたことをしっかりご紹介させていただきます! 

オシャレの追求に年齢なんて関係なし!

  おいっこ・めいっこたちが集まった9月某日。「新しいおもちゃが届いたよ〜!」と呼びかけると、「コスメ」の文字に大興奮の女子2人。幼稚園児と小学生といえど、オシャレを追求する感性に、年齢は関係ないのかもしれませんね。  箱を開けるや否や、パーツの個包装を開封する時点からすでに取り合いが始まりました…(笑。あっというまにおもちゃの世界へまっしぐらです。 

  全12種類とバリエーションに富んだセットにもかかわらず、一つ一つ手にとって器用にお化粧ごっこが始まります。メイク道具の使い方を教えていないのに、この年齢ですでにここまで理解しているとは驚きです。  内ポケットがついたポシェットは、種類やサイズに応じた収納が可能です。「お化粧品はこっちで、くしと鏡はこっち」と、2人で仲良く綺麗に収納…できればよかったのですが、1つしかない貴重なポシェット。取り合いになったのは言うまでもありません。  結果、本日の勝者は幼稚園児(年長)の女の子。肩にかけるベルトがついており、肌身離さず抱えながら、嬉しそうに持ち運んでいました。  お姉ちゃんたちの壮絶な取り合いのさなか、騒ぎを聞きつけてやってきた1歳8ヶ月の息子。彼の琴線に触れたのは、手持ち/卓上どちらにも変化する鏡。鏡の中の自分をじーっとのぞいて、静かに楽しんでいました。 

横目でチラチラ、気になる男の子たち

  ハイテンションな女の子2人の様子を、横目でチラチラと眺めているのは、同じく幼稚園(年長)のおいっこ。興味はあるようですが、やはり少し恥ずかしいのか「ボクはいいよ〜」と、しばらく遊びに混ざるのを躊躇していました。  そこにやってきた、小学1年生のやんちゃなおいっこ。  木製ビーズの指輪をハナに入れようとしたり、チークブラシでとなりの子をくすぐったり、口紅をわざと口以外の場所に塗ったりと、絵に描いたようなおふざけの数々。  しかし私が見るに、彼も先程のおいっこと同じように、興味はあるけど、素直に遊ぶのが恥ずかしかったのだと思います。悪ふざけは照れ隠しの反動のように見えました。  コスメがテーマとはいえ、おもちゃに対する男女の反応にこれほど差が出るかと、改めて子どもたちの遊ぶ様子は面白いなぁと感じました!  

  

いつの間にお店が?自然と始まるお店屋さんごっこ


  それぞれが一通り好き放題遊んだ後は、「お店の人とお客さんになって遊ぼう」と、女の子たちの提案をきっかけにお店屋さんが開店。  ダイニングテーブルの椅子を対面する形で並べ、ヘアバンドを持ってきて、お化粧をする人とされるお客さんに分かれてごっこ遊びがスタートしました。  コスメへの興味はあっても、まだ細かな使い方や順番はわからないので「私はね、いつもこういう順番でお化粧してるんだよ」と教えてあげると、その順番に並べ換え、より本格的なお化粧ごっこへと発展させて行きます。 「どの色にしようかしらぁ〜!」  アイシャドウのパレットをみてどの色にしようかと悩む姿は、高級デパートのマダムそのもの。 こういう動作やセリフは、ホントにどこで覚えてくるのか…(笑 

  さて、そんな様子を見かねてたまらなくなった男子たちも、途中からお客さんとして参戦!お店も繁盛してきました。  お店が混んでくると、店員役の女の子が何やらトランプを持ってきました。一体なにを…なんと、整理券に見立てて、お客さんたちに配り始めました!  「順番がきたら、お呼びしますね」と、まさかおままごとでお客さんの整理まで行うとは…さすがに脱帽です(笑  待ちに待った自分の番がきた男子は、なされるがままにヘアバンドをつけられ、店員さんにお化粧をされるのでした。しかしまだちょっぴり恥ずかしい気持ちが残っていたのか、香水を店員さんにかけてニヤニヤ(笑 それでも、距離を置いたり悪ふざけをしていた先程とは打って変わり、最後は女の子たちと一緒にコスメを楽しむ男の子たちの姿が見られました。 

まとめ:意外にも男女で楽しく遊べる『きらきらコスメセット』

  今回も子どもたちの遊びは大盛り上がりで終幕。女の子は遊びが終わった後も、ポシェットを肩から下げて大切そうに持ち歩いていました(笑  「コスメ」と聞いてはじめは「遊ぶのは女の子だけじゃないかなぁ」と想像していましたが、照れ隠ししながらではあるものの、実際は男の子たちも楽しく遊びに参加する姿が見られ、結果的には男女問わずみんなで楽しい時間を過ごすことができました!  もちろん、子ども同士だけでなく、大人と子どもでも会話が広がります。もし興味がありましたら、みなさんもぜひコスメセットでお子さんとオシャレを楽しんでみてはいかがでしょうか! ↓商品のご購入・詳しいご案内はこちらから↓

はじめてのおままごと
『きらきらコスメセット』

12種類の豊富なコスメが揃ったおままごとセット。パステルカラーと木の風合いが織りなすナチュラルな雰囲気は、年齢性別を問わずお楽しみいただけます。


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【遊びの一口メモ】お化粧のわらべうた

  最後にちょっとだけ。  みなさんは、昔から代々うたい継がれてきた「わらべうた」をご存知ですか?昔の生活の中から自然に生まれた唄で、子どもの話や言葉の延長で作られているんです。  リズムやメロディーもシンプルで歌いやすく、現代の子どもたちにも馴染みやすい唄が多いんですよ。  そんなわらべうたの中に「お化粧」がテーマになったうたがあるので、コスメセットと合わせてご紹介します。 『うちのうらのくろねこが』(メロディーや動きは、Youtube で見れると思います) 


 うちのうらの くろねこが(猫のようにグーにした手を顔の横で上下させる) おしろいつけて(頬紅をつける)べにつけて(口紅をつける) ひとにみられて(手で遠くを見る)ちょいとかくす(その手で目をかくす) にゃー!(いないいないばぁのように手を広げる) 


 猫になりきって頬を触り、口紅をつける仕草をして最後は恥ずかしそうに隠れます。可愛らしい仕草が楽しい、わらべうたのご紹介でした♪ 最後までお読みくださり、どうもありがとうございました! 

ライター:齊藤由佳子

東京都内の保育園で保育士を務める1児のお母さん。おもちゃコンサルタントの資格を保有。コロナで外出ができない子どもたちのために、ZOOMで多くの親子とリモートで遊んだり歌ったりを楽しめる「リモート保育」の活動を行う。

現役保育士に聞く「レッジョエミリアアプローチ」 Vol.4 (終)

 

 目次


  Vol.1:レッジョエミリアアプローチってなに?

  Vol.2:子どもの”夢中”を記録する

  Vol.3:過程を知ることが、子どもの探究心を深める

  Vol.4:先生も子どもも、自分らしくいられる保育園

 

働くお父さん・お母さんに優しい保育園であるために


 - エミリアプリスクールの看板には「企業主導型保育施設」と記載されていますが、これはどういったものなのでしょうか? 山東 「企業主導型保育施設」とは、その名の通り企業が運営する保育施設です。子どものいる従業員を支援するための国の助成制度ですが、従業員に限らず、この地域の方が入園することももちろん可能です。私たちの場合は、上の階にある「聖栄歯科医院」が運営する保育園となります。  - なぜその助成制度を取り入れた保育園にしようと思ったのですか? 山東 理由の一つは、母体である歯科医院のスタッフに対する支援です。スタッフのほとんどが女性なので、自社に保育施設があると、良い人材が産休後・育休後もそのまま働けるし、子どもと一緒に出勤ができるなら、子育てを理由に仕事の現場から離れる方にも、復帰するきっかけを与えられるのではないかと思いました。  そしてもう一つは、レッジョエミリアアプローチに関心のある方に、質の高い保育を提供したいという強い思いがあるからです。現在の日本において、レッジョエミリアアプローチをベースとした保育施設のほとんどが認可外、つまり保育料が通常の保育園と比べて格段に高くなります。そうなると、どうしても利用できる層が限られてしまいます。  制度上、このエミリアプリスクールも認可外保育園に該当しますが、この助成制度によって、利用者の負担をより軽減することができます。 

 -  レッジョエミリアアプローチは一般的な保育園に比べて、生徒一人当たりの先生が多いとおっしゃっていましたね。そういった面でも、まだ日本では十分に定着していないのでしょうか。 山東 うちの園は保育士の配置を手厚くしていますが、いまの日本の平均的な保育配置、配置人数では、どうしても子どもたちを一斉に保育しなければならないため、一対一で過ごす時間を確保することが難しいです。企業主導型保育施設という助成制度によって、一人でも多くの方にレッジョエミリアアプローチがあることを知ってほしいと考えます。

保育士として、一人一人の子どもに向き合える喜び

 - 平野さんはこちらで長年保育士として勤めていらっしゃいますが、ここ以外の保育施設に勤務されたご経験はあるのでしょうか? 山東 平野さんは保育士として長年エミリアプリスクールに勤めていますが、かつてはこことは違う大きな幼稚園に勤めていました。30人以上いるクラスを一人でまとめていたので、こことは真逆の環境だったと思います。 

平野 当時の私は一言でいうと、プレッシャーと疑問に苛まれる日々でした。子どもたちと過ごす楽しさに変わりはありません。ですが、以前の幼稚園は園児に対する先生の数が少ないため、みんなが同じ行動をとるよう取りまとめる「一斉保育」が主流でした。  大人数を少人数で見ることで精一杯な日々を過ごすうち、「子どもたちと向き合えているのかな?大人(自分)の満足で終わってしまっていなかな?」という悩みが湧いてきました。  当時を振り返ると、子どもたち一人一人に十分向き合うことができなかったなと思います。  ― そのような経験を経て、エミリアプリスクールに来た時はどんな心境でしたか? 平野 私は「大人が子どもに指示を出す」ことが当たり前の世界から来たので、絵美代さん(山東さん)と出会ってここで働くことになった時、始めはかなり戸惑っていました。子どもたちの反応があるまで、じっと待つ。静かに観察する。  いくら先生が他にもいるとはいえ、ひとりひとりの子どもにこんなに時間をかけていていいのかな?って、ずっと不安でした。  - レッジョエミリアアプローチで大切にしている「観察」に、始めのうちは馴染めていなかったんですね。 平野 そうです。ですが、徐々に何かがわかってくるような感じがしました。シーンと黙っているように見えていた子が、黙々と考え事をしたり記憶を辿って何かを思い出そうとしていたり、複数で遊ぶ子どもたちが、実はそれぞれ違う遊びを楽しんでいたり。少しずつですが、観察を通して子どもたちの見ている景色が見えてくるようになったんです。  - 以前抱えていた「一対一で過ごす時間がとれない」というもどかしさが、ここで解消されたんですね。 平野 それに、ここでは担任以外の先生はもちろん、園長先生、キッチンのスタッフ、事務のスタッフまで、みんなで一緒に遊んでたくさんかかわりを持ってくれます。子どもたちの発見を見逃さないように「もう少しこの子と過ごしてたいな」と思ったら、ほかの子どもへの手が足りなければ声をかけあい、先生たちみんなで子どもの可能性を伸ばしてあげる体制を整えています。  「子どもの個性を伸ばす」という基本姿勢にもとづいた先生やスタッフの関係性がしっかりと保たれているので、目の前の子どもにしっかりと集中できるんです。

子どもも、先生も、自分らしくいられる保育園


 ― 平野さんのお子さんもこちらに通っていらっしゃると伺いました。 平野 そうですね。実は私の娘も5カ月の頃から、ここに通っています。  - レッジョエミリアアプローチに出会ったことで、自身の子育てについて価値観の変化はありましたか? 平野 おやすみ日にこことは別の園に通うご近所さんたちと一緒に公園に出かけたのですが、みんなが遊具やおもちゃで遊ぶ中、うちの子だけ木の枝やお花で遊んでいたんです。ですが、エミリアプリスクールで様々な子どもたちと触れ合うことができたおかげか、「あーうちの子は自然が好きなんだなぁ」と、ありのままの娘の姿を見守ることが出来ました。  一斉保育が当たり前の環境で働いていたかつての私なら「うちの子は、どうして周りと違う遊びをするんだろう…」と不安に駆られていたかもしれませんね。  - 先ほどおっしゃった、違いを尊重できる感覚でしょうか。 平野 そうですね。私自身もここの保育園で働きだしてから、家族や友人に「変わったね」とよく言われました。かつては教本やカリキュラムの内容にがんじがらめになって、「これができないとだめだ!」と常に自分を責めたり、追い込んだりしていました。  ですがエミリアプリスクールでの日々を通して「子どもには決まった正解なんてないんだ」と気づきました。好きになることも、タイミングも、人それぞれ。それを先生たちが見つけて、発展する手助けをして、保護者の方と一緒に子どもたちの成長を心から喜べる。  一人の保育士として、一人の母親として、ほんとに幸せだなと思います。えみよさん(山東さん)と出会えたこと、そしてここに来れたこと、本当に感謝しています。  - レッジョエミリアアプローチは、子どもだけでなく大人にとってもいろんな発見があるんですね。 

山東 決められた道を辿ることが求められるこれまでの時代とは異なり、これからの時代は自ら道を作っていくことが求められます。ここに通う子どもたちには、自分なりの考えや意見を持って行動できる大人になってほしいと思いますし、レッジョエミリアアプローチにはそれができると信じています。

 

 ただそのためには、大人である私たちも同じく、自分の思いを持って対話できる環境作りが大切です。エミリアプリスクールは、育てる側も、育てられる側も、自分らしくいられる環境であり続けたいです。

 平野 私がここで感じた喜びを、この園に来てくれているみなさんと、これからこの園に来てくれるみなさんにお届けできるよう、これからも頑張りたいと思います。 

インタビューを終えて

 インタビューさせていただくにあたり、事前にレッジョエミリアアプローチの概要や歴史についてある程度調べてきましたが、それを具体的にどのように実践するのかは、お話を聞くまでわかりませんでした。  ですがいざお話を伺うと、レッジョエミリアアプローチに特別な知識や道具は必要なく、基本的なことは、いつでも、どこでも、そして誰もが実践できることばかりでした。  私たちが普段何気なくしていることや、少し意識すればできること、そんな基本の中に教育の本質があることを教えてくれました。  とはいえ、何事も言うは易し、行うは難し。かつての平野さんがそうだったように、戸惑うこともあるかもしれませんが、そこは子どもと大人が二人三脚で進むことができれば良いのかもしれません。  このインタビューによって一人でも多くの方に、レッジョエミリアアプローチや、エミリアプリスクールの取り組みに関心を持っていただければ幸いです。最後までお読みいただき、誠にありがとうございました。  


 ご協力:山東・平野(エミリアプリスクール)インタビュー:進藤匡史(ウッディプッディ)撮影・編集・タイトル:平子涼(ウッディプッディ)

⬅︎ Vol.3を読む

企業主導型保育事業:エミリアプリスクール


https://emilia-preschool.com/

現役保育士に聞く「レッジョエミリアアプローチ」 Vol.3

 

 目次


  Vol.1:レッジョエミリアアプローチってなに?

  Vol.2:子どもの”夢中”を記録する

  Vol.3:過程を知ることが、子どもの探究心を深める

  Vol.4:先生も子どもも、自分らしくいられる保育園

 

近所の八百屋さんによる、生の野菜を使った食育講座

― 子どもたちの発想や行動の背景を重んじるレッジョエミリアアプローチにとって、保護者の方とのコミュニケーションは非常に重要なんですね。 山東 加えて、子どもを取り巻くコミュニティー、つまりご近所さんは、レッジョエミリアアプローチに欠かせない存在なんです。  ここは神戸市中央区の元町といって、昔ながらの魚屋さん、八百屋さん、お花屋さんといった個人商店がたくさんあって、ご近所さんに恵まれた環境が整っています。大型商業施設とは違い、個人店であれば店先でお店の人と気軽にコミュニケーションがとれるんです。 

 子どもたちは色々な職業の人の様子を見たり、ときにはお話をしたり、お散歩の途中で色々な方との出会いを楽しんでいます。そして園に帰ってくると、どんな人がいたと教えてくれたり、ごっこ遊びで再現したりしながら過ごしています。

 

 その一連の様子も、一緒にいた先生が写真や動画に撮ってドキュメンテーションに残して保護者と共有します。子どもの成長を園内だけで終わらせず、地域みんなで育てようという考え方です。

 

保育園のお隣にある八百屋さん。 

平野 特に園の隣にある八百屋さんはとてもよくしてくださって、あちらから「最近こんな野菜が入ったんだよ〜!」とか、「今日のバナナは大きいでしょ〜!」と声をかけてくれるんです。

 

 子どもたちは最初こそ警戒していましたが、ご近所さんとの日常的なコミュニケーションを通して、自然と第三者との交流の仕方やマナー、あいさつを身に着けていきます。何より、街の人たちみんなに見守られているので、お散歩の時もいつも安心です。

 

─ 周囲の人々との繋がりが薄れつつある時代ですが、こちらは真逆ですね。 

山東 そもそも、ご近所付き合いの習慣自体、日本では昔から存在するものです。ですが近年は個人店の減少や大型商業施設の増加、犯罪の増加に加えて、コロナによる分断と、ご近所さんとのつながりを作る機会が減っていく一方です。

 

そんな背景があるからこそ、こうして周囲の方たちと繋がりを持てることは、私たち自身も嬉しいですし、子どもたちにとっても非常に良い経験になるんです。

  レッジョエミリアアプローチでは、子ども達の”探究心”とその周りを取り巻く”人・もの・こと”との出会いを通して、子ども達自身が世界につながっているというコンセプトで実践されています。 

食育と遊びの両立ができるおもちゃ

お鍋が太鼓に…!?でも、楽しんでくれればなんでもOK!

 ─ エミリアプリスクールの皆さんに、ウッディプッディのおままごとセットをプレゼントさせていただきました。皆さんどのような反応でしたでしょうか? 山東 おままごとが始まったり、野菜の名前を一つずつ確認したり、遊び方は様々ですが、反応はすごく良かったですよ。八百屋さんにも野菜や果物の話をたくさんしてもらえるので、ここの子どもたちは食べ物への関心は人一倍強いみたいですね。 ─ 複数の子どもたちがいますが、そういった環境ではみなさんどのように遊んでいるのでしょうか? 

野菜の断面がテーマの絵本と、おもちゃの断面を見比べて遊ぶ男の子。 平野 ウッディプッディさんの野菜は、野菜のリアルな断面がデザインされています。一人遊びをする子の中には、おもちゃの断面を見て『やさいのおなか』という絵本と一緒だ!と気づいて、絵本と見比べながらおもちゃを観察する子もいました。 

れんこんがお気に入りの男の子。 平野 また、いろんな野菜をバラバラにして、磁石で別々の食べ物をくっつけてオリジナルの野菜作りを楽しんでいる子もいます。あとは、太鼓のように箸で鍋を叩いたりとか、とにかく自由な発想で楽しんでいます。  時間が経つにつれて、一人遊びからじょじょに複数人で固まって遊ぶようになりました。他の子のカップにアイスを乗せてあげたり、トングを使って野菜を配ったり。中には、どちらが早くお鍋を食べ物で満たせるかという、オリジナルのゲームも誕生していました(笑)  おもちゃの汎用性が高いので、一人遊び・複数人遊びに関わらず各々が自由に楽しめています。 

食育は好奇心と自制心のきっかけ


はじめはお鍋を太鼓代わりにしていた男の子。他の子と一緒に遊ぶうちに、料理ごっこが始まりました。 ─ 私たちは主に「食育」をテーマとしたおもちゃを多く取り扱っているのですが、こちらでは食事や食育についてどのような取り組みを行なっていますか? 山東 ここでは、保育者と保護者の方で子どもの情報を共有し、歯のはえ具合や家庭での食事の様子などの状況を把握した上で、栄養士と調理師が食べ物のサイズや硬さの調整を行い、食事を提供しています。  ─ 保護者との連携が、給食の作り方にまで反映されているんですね…! 山東 また「食育」に関しては、ここでは保育士と同様に、栄養士も普段から子どもたちと接しているので、子どもたちは日常的に食べものについて学べる機会が多いんです。  その中で月に一度、実際の食べものを使った旬の食材に触れ合う時間があります。例えばとうもろこしの場合、皮を剥いたり、包丁で切ったり、粒を一つ一つ外したり。こんなふうに、食材の成り立ちや作り、そしてこれがどうやって自分たちが食べる給食になるのかを、栄養士と一緒に学ぶことができます。  こういった機会を通して、子どもたちは日常的に目にするさまざまなものにも過程があることを知ります。「これはどうやってできているんだろう」と考えを巡らせたり、疑問の解明に向けて自分なりに行動したりと、やがて想像力や自発的な行動力につながるんです。  子どもにとって身近な「食」を知ることは、それ自体の大切さもさることながら、さまざまなものに対する好奇心や自発性のきっかけにもなります。そういった意味では、食育は子どもたちの成長に欠かせない学びの一つですね。 平野 ちなみに今日もインタビューが行われる前に、栄養士が子どもたちに春野菜について紹介しました。みんなの前でキャベツを一枚一枚むいたり、包丁で切ったりしていたのですが、その後の自由時間ではおままごとのおもちゃを使って、見聞きしたことを再現して遊んでいました。 山東 他にもラディッシュを植えて成長過程を観察したり、クリスマスにはフルーツをトッピングしてパフェも作りました。しいたけも栽培しましたね。興味を持つことや何かを感じ取る機会として、食育の時間はとても大切にしているんです。  このように日頃から食に触れる機会の多いエミリアプリスクールの子どもたちですが、ウッディプッディさんのおままごとセットをとても楽しんでいます。自由な創作を通して食の楽しさに触れることができるので、遊びと食育がうまく両立できているなと感じました。 

子どもの意識が変わる遊び方


子どもたちと一緒におままごとをしながらも…

小さな変化や反応を見逃さず、さりげなく、かつスピーディーに撮影を行う先生。─ エミリアプリスクールでは、おもちゃで遊ぶときに心がけていることはありますか 山東 まずは、子どもが初めてそのおもちゃに出会ったときに、どんな反応をするか、どんなポイントに興味を持つかを観察します。先ほど申し上げたように、色、形、数など、同じおもちゃでも注目する点は様々です。そこで自分なりに感じ取ったものに応じて「色が似てるね」「他に似てる色あるかな?」といった感じでアプローチします。  おもちゃさえ渡しておけば、子どもは一人で遊ぶだろうと思ってその場から離れてしまう方もいらっしゃいますが、特に小さな子どもの一人遊びには限界があります。より遊びに没頭できるようになるまでは、大人がその場で一緒に遊び込むことが不可欠です。  そうすれば、子どもは自分の好きなポイントをみつけ、遊びを発展させることができるようになります。  ─ きっかけを見つけるために観察し、アプローチすることで、子ども自身の遊びの体験がより深くなるんですね。平野さんはいかがですか? 平野 大人の目線ではおもちゃを出す・片付けるというのは面倒なことと思われがちですが、子どもにとってはそれもおもちゃ遊びの一部なんです。「片付けて」と言うのではなく「赤色集まれー!」と声掛けをすれば、子どもたちが赤色を集めて持ってきてくれるんです。  おままごとも同じで、「かたっぽいなくて泣いてるよー」って声をかけると、子どもは「そうだ2つにわれるんだった! もう1個あるんだ」と自分気づいて持ってくる。そしてピッタリくっつく喜びが生まれます。  大人目線で「こう遊びなさい」「こうしなさい」と支持するのではなく、子どもの目線になって遊びをサポートする、という意識が大切だなと思います。  ─ ご自宅でもそんな感じでしょうか? 平野 そうですね。子どもが遊びに集中しているときにじゃまをしない、客観的に見る。家事などで終始つきっきりとはいきませんが、その代わり一緒に遊ぶための時間をある程度確保するようにしています。 山東 小さなうちからそういう習慣が身についていれば、3歳ころには「ママがそれやってるなら、私はこれで遊んどくわね」くらいになってるかもしれませんね(笑) 平野 すでにその傾向は少し見えてきました。かつて私が料理をしているとかまってほしくて足元にくっついていた娘ですが、その習慣のせいか、今は料理をしていても、離れたところで自分のおままごとを楽しみながら過ごしています。 山東 関わり方ひとつで、けっこう変わるんですよね。 平野 そうですね。おそらく日頃の習慣を通して「お母さんにほっとかれてる」といった不安が無くなってきたから、家事などで少し距離があっても、落ち着いていられるんだと思います。 山東 子育てにおいて3歳までが大事だと言われるのは、そのくらいの歳になって、それまで親子の関わりが形になって現れるからかもしれませんね。  ─ こうしてみると、レッジョエミリアアプローチってちょっとした心掛けで実践できるものばかりなんですね。 山東 そうなんです。それぞれのご家庭でできることから、トライしてみるだけでも十分レッジョエミリアアプローチを実践していると言えます。 

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