子どもが幼少期のうちから始める遊びが「おままごと」です。我が家の娘は1歳前から近所の児童館に通い始めて、おままごと遊びをスタートしました。はじめはおままごとの食べ物を口に入れて舐めるなど本来の遊び方とは程遠かったですが、徐々に野菜や果物を覚えたり、色を覚えたりと、様々な学びのきっかけになりました。

これまではテストの点数や偏差値など数値化された“認知能力”が重視されてきましたが、近年では幼児教育において、単純な数値などでは測れない「非認知能力」が注目を浴びています。

非認知能力とは、認知能力とは違って、単純に数値化できない能力で、自己肯定感や精神力、発想力などが挙げられ、子どもの将来や人生を豊かにする力と言われています。そして、おままごとの一番の魅力とも言えるのが、そんな非認知能力の一つである「子どもの発想力を豊かにする」ことです。発想力は親が子どもに教えて育つものではないため、生活や遊びの中で育むことが大切です。

子どもの発想力を豊かにするおままごと遊びのポイント

1.質問が子どもの発想を促す

おままごとはごっこ遊びなので、お料理のように単純な動作を再現するものから、レストランなど複雑なシチュエーションに基づくものなど、遊びの幅は広いものです。しかし、子供の語彙力だけでは、遊びの広がりには限界があるかもしれません。「いらっしゃいませ」「ありがとうございました」など基本的な言葉は知っているものの、それ以外の言葉遣いや何を話すかまでは分かりませんよね。

そんな時、親が「こうしよう」と設定を決めてしまうと、子どもの発想が限られてしまいます。なので、土台となるシチュエーションは子どもにまかせつつ、親が子どもに様々な質問をおこなってみてください。質問をすると、しっかり考えて答えが返ってきて、それが遊びの世界を広げてくれます。子どもの自由な発想で、思いもよらないようなおままごとがスタートするはずです。親が遊びを引っ張るのではなく、子ども自身が広げるお手伝いをしてあげる意識が大切です。

2.正解はあえて教えない

子どもがおままごとで料理をするとき、あえて正解を教えないことで、自由な発想を活かした遊びが生まれます。例えば、子どもが「ハンバーグを作ってあげる!」と言えば、ハンバーグに必要な材料や作り方を教えてあげたくなりますよね。確かに、少し大きくなって料理の手伝いが出来るようになり、本格的に知りたい!と本人が成長すれば、教えてあげるのも良いと思います。

ですが、今は自由な発想を楽しめるおままごと遊びの時間。小さいうちは「ハンバーグってどうやって作るの?」「何が入っているの?」など、正しい知識を与える前に、子どもの発想を引き出すような問いかけを行ってみましょう。きっと珍回答が多発すると思いますが、想像力がフルに活動する時です。正しいことを教えることは「知識(=認知能力)」につながりますが、幼児期は特に子どもの「発想力(=非認知能力)」に着目してみてはいかがでしょうか?

3.知識は量より着眼点

今はインターネットで瞬時に様々な知識を得られる時代です。しかし、発想力をはじめとする非認知能力は、日々の生活の中で徐々に育まれるもの。そこで、最後のポイントでは、単なる知識の獲得ではなく、「どこに着目するか」を意識して遊ぶことをおすすめします。

たとえば、おままごとならほぼ必ず登場する「野菜」や「果物」。ぱっと見の見た目は知っているけれど、ほとんどのおもちゃは中身まで描かれることはあまりありませんよね。外側と同じ一色になっているか、マジックテープなどがあってそもそも中にデザインがない場合がほとんどだと思います。

そこでオススメなのが、私も使っているウッディプッディ】のおままごと。マグネットが中に埋め込まれているため、断面にも本物に近いデザインが施されているのが特徴的です。他のおもちゃと違うところは、「この野菜は切ってみるとどうかな?」「どんなふうになってると思う?」と、子どもの想像や発想を促す遊びができること。もし本物に触れる機会があれば、実際の食材の切り口を見せてあげると、遊びの経験との結びつき、それが知識や食に対する興味を促します。

このように同じ知識でも、正しさや即効性だけを重視するのではなく、一見他愛のないことでも、ユニークな着眼点を通した知識や経験は、非認知能力に大きく貢献します。何を知るかではなく、どこに着目するかを意識することで、子どもの発想をさらに広げ、ひいては柔軟な発想や価値観に結びつくかもしれません。


いかがでしたでしょうか。

子どもが大きくなるにつれて、テストの点数や偏差値など認知能力にフォーカスされる機会がどんどん増えることでしょう。しかし、幼少期は人としての基礎的な能力である「非認知能力」が大きく伸びる非常に大切な時でもあります。そしておままごと遊びは、そんな非認知能力の向上に大きく貢献します。おままごと遊びは子どもの発想力でどんな世界でも作り上げることが出来るのです。ですから、親の声掛けが大切といいましたが、時には一歩引いて、子どもの様子を眺めたり、サポートを最低限に抑えつつ子どもの発想に身を委ねる時間を持つことをお勧めします。

幼少期は子どもが何でも知りたい時期なので、何でも答えを教えたくなるものですが、答えに行き着くまでの「過程」を一緒に楽しめる器量こそ、結果的に子どもの成長に大きく寄与するのかもしれません。

ライター:節子日記

知育ブロガー・インスタグラマー。3歳児を子育て中。6学年先の学習をやっている我が子の子育て経験をもとに、幼児教材・知育玩具・絵本など幼児教育に関することを発信中。子供と向き合い子供の可能性を引き出すことに活かしてもらえるような投稿を運営。

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