WOODY PUDDY

Vol.1 子どものお土産に絵本はいかが?|神戸市の絵本屋さん『ボタン堂』インタビュー

  • LINEで送る

街から次々と本屋さんが消えつつある2021年、とある小さな商店街の一角に、絵本専門店『ボタン堂』はオープンしました。ガラス越しに見えるカラフルな絵本の数々に、思わず足が止まり、気づけば懐かしの一冊を手に、その思い出がつい口からこぼれてしまう…。まるで、むかし通った駄菓子屋のような、久しぶりに訪れた実家のような、訪れる人が懐かしさを感じるフシギな絵本屋さん。そんなボタン堂について、店主のながはまあきこさんにお話を伺いました。

子どものお土産に絵本はいかが?


ー お店に入る前から、ガラス越しにたくさんの絵本が見えました。ながはま:店の前が踏み切りなので、立ち止まってる人たちがガラス越しにいつも覗いてくれます。でも、大きな看板もないから、お店って分かりづらいかも。開店したばかりのころにも、怪訝そうな顔で入ってきたおじさんに「コレ本屋ってわからんで」とご指摘いただきました(笑)。ーいい意味でお店っぽくない素朴な佇まいなのは、何か理由があるんですか?ながはま:『ボタン堂』のコンセプトは「お父さんが気軽に立ち寄れる絵本屋さん」なんです。キレイに整えすぎると、女性や若い世代の方は入りやすいけど、お父さん世代の男性には少し敷居が高くなっちゃうでしょ?仕事帰りのお父さんが、お土産にケーキやお寿司を買って帰るのと同じような感覚で絵本を買って帰ってほしい。男性にも、ふらっと気軽に立ち寄ってほしいなという思いがあるんです。もちろん、女性のお客さんもたくさんいらっしゃってます。ーネクタイを頭に巻いて酔っ払ったお父さんが、絵本を片手にフラフラ帰ってくる…とか?ながはま:イメージが古い(笑)さすがにそんなは人いませんけどね。お店に来たというより「おばあちゃんちに来た」みたいに、身近な感覚で来ていただければと思っています。ー 夜(19:30)まで開いてるので、お仕事帰りにも来やすいですね。ながはま:お仕事帰りや、家族のお出かけ帰りに立ち寄っていただきやすい開店時間にしました。須磨区は須磨海浜水族園や離宮公園など、お子様連れのご家族に人気のエリアなのですが、朝に絵本を買っちゃうと、1日中持ち歩くのは大変ですからね。

ー月見山駅の目の前なので、立ち寄るにはぴったりの場所ですね。ながはま:ここはたまたま見つけた物件で、初めからここを狙ってたわけではないんです。ーどういった経緯でこの場所に『ボタン堂』ができたのでしょうか?ながはま:普段この辺りには滅多にこないのですが、たまたまこの近所に用事があって。この駅で降りる直前、ぼーっと電車で外を眺めていたら、線路沿いの壁に「BOOK」と書いてあるシャッターの閉まった建物、つまりこの場所がふと目につきました。当時はまだ「絵本屋やってみたいなー…」くらいだったのですが、その日から妙にこの場所が気になって、思い切って不動産屋に連絡してみました。その時に、かつてここが本屋さんだったことを知り、中を覗くとたくさんの可愛い本棚が残されていたので「ここ、めっちゃええやん!」って。ー1件目の物件で決まっちゃったんですか?ながはま:その頃は、物件探しすらしていませんでした(笑)。でも結果的に、子連れのご家族が多くいらっしゃる地域で、昭和の懐かしい雰囲気が残る通りで、駅の真正面で、元本屋で、本棚もあってと、この上ない出会いでした。あの日電車で窓の外を眺めていなかったら…と思うと、とってもフシギな縁を感じます。


次:絵本は子どもの人生を彩る

絵本 ボタン堂

兵庫県神戸市須磨区月見山本町2丁目6−13
【営業時間】
●水曜日 14:00~19:30
●土曜日 13:00~19:30
●日曜日 13:00~19:30


公式instagramはこちら

  • LINEで送る